動画で人の心を突き動かす「行動心理学」について

こんにちは、eMseedの浅田です。

本日は、動画で成果を上げるために必要な「人の心を動かす心理的要素」のお話しをしたいと思います。

現在弊社では、お取引中の企業様をはじめ、ビジネスに動画を取り入れて売上UPや集客力を高めたい団体・個人事業者様のご支援をさせていただいております。

ただカッコいい動画やオシャレな動画など、見栄えだけ整えつくることを目的とした動画ではなく、動画をみてくれたお客さまの反応を取るために、

「人の心を動かす」動画がビジネスでは求められます。

では、どうすれば人の心を動かすことができるのか?

これについては、アメリカの心理学者オーヴァストリート教授の名著「人間の行為を支配する力」によると、

〝人の行動は、心の中の欲求から生まれる…だから、人を動かす最善の法は、まず、相手の心の中に強い欲求をおこさせることである〟と本の中で語られています。

では、一体どんな動画がみる人の心を突き動かすのか?

目次

衝動

ハーバード・ビジネススクールの組織行動科学教授ポール・R・ローレンス、ニティン・ノーリアが開発した「4ドライブ・モチベーション理論」によると

人は以下4つの内的衝動によって動機づけられ、無意識に行動しているとのこと。

第1の衝動=獲得衝動

評価の高い「モノ」や「個人的体験」を探し求め、手に入れコントロールし、保持したいという衝動

この衝動からかけ離れてしまうと、人は自分に自信がもてず、成功者を妬み、人間関係に嫉妬する気持ちを抱いてしまう

安心・安全・経済的な余裕・お金・地位・名誉

第2の衝動=親和衝動

互いに相手を気遣いながら、長期にわたって親密な絆を結びたいという衝動

この衝動からかけ離れてしまうと、虚無感に襲われ、世間から切り離された気持ちを抱いてしまう

助け合い・支え・頼り・コミュニティ・組織・環境・繋がり

第3の衝動=学習衝動

ものごとを学び、周囲の世界を解明したいという衝動

この衝動からかけ離れてしまうと、成長のためのスキルや知識習得、新たな気づきを失ってしまう

好奇心・NEWS性・神秘性・知識欲・驚異の念

第4の衝動=防衛衝動

愛する人々や資産を危害から守りたいという衝動

この衝動からかけ離れてしまうと、精神的な圧力を感じたり、被害者意識を抱くようになる

警戒心・恐怖・怒り

これら心理学の理論を動画に掛け合わせ、どの欲求をもつ人をターゲットにするのか、顧客起点でマーケティングを日々練っています。

「衝動」を特定したうえで、人を魅了し行動に移させる「心理トリガー」を動画に散りばめ演出することで、反応の取れる動画を生み出します。

心理トリガー

心理トリガー=心を動かす引き金とはどういったものか?

人は感情でモノを買い、論理で正当化する生き物だと言われています。

人は自分自身のことを理性的だと思っていても、裏では感情的な消費行動をとっています。

例えば、スーパーで半額シールのついた商品を見て、普段なら買わない物もつい手が出てしまうのもその1つです。

さらに半額シールの表示は、「50%off」表記より「半額」と漢字で表す方が、論理的思考が薄れ人の感情へ訴えやすいと言われています。

こういった心理を動画に活用できる要素は、下記7つの心理的トリガーが有効的に働きかけます。

【1】欲望のトリガー

定義:快楽への期待

魅了する理由:快楽を得たいという気にさせるから

動画の提案:考えさせるのをやめ、感じさせる構成 / 焦らす構成 / イメージ映像を多用する / 五感を刺激させる / 将来の自分を無意識で想像できる映像を使う

鉄板の質問:自社の魅力とは?商品(サービス)を選んだポイントは?(競合との違いや独自性を引き出す)

BGM:明るい曲・情緒的な曲

演出:光のエフェクト・ソフトフォーカス

【2】神秘性のトリガー

定義:まだ答えの見つかっていない疑問

魅了する理由:謎を解きたいという気にさせるから

動画の提案:最後まで言わない構成(情報を控え常に不足している状態にする) / 答えが出そうで出ない構成 / 好奇心を刺激させる / 神話を築く / 物語をつくる

鉄板の質問:商品(サービス)の中で印象に残っていることは何ですか?(内容をもっと知りたくなるように、「他には?」「具体的に?」「それで?」等深掘りし興味をもたせる) /

なぜその商品を売ることになったのか?(回答にストーリーをもたせる質問にして、共感を生みやすくする)

BGM:オルゴール系・ファンタジー

演出:霧のエフェクト・扉のグラフィックetc

【3】警告のトリガー

定義:「すぐ、〜しないとこういう結果になる」という脅し

魅了する理由:いますぐ反応しなければという気にさせるから

動画の提案:ターゲットが抱える恐怖に訴える / 未来ではなく今 / 追い込んで決断させる構成 / 結果を明示して脅す / 期限を設定して煽る / 苦痛を想像させる

鉄板の質問:もしこの商品(サービス)を購入していなかったら今頃どうなっていたと思いますか?(しないこと・行動しないことへの恐怖心をターゲットに煽るのがポイント)

BGM:打楽器系・警告音・テンポの速い曲・激しく怪しげな曲

演出:トラロープ柄・血・崖・暗曇・低い声etc

【4】威信のトリガー

定義:地位と尊敬の象徴

魅了する理由:ステータス・敬意・称賛を得られるから

動画の提案:相対的な欲求に訴求する→人と比べる構成 / ロゴの魅せ方に拘る / 高級感を演出 / 限定(手に入りにくいことを演出)

鉄板の質問:あなたにとって◯◯とは?今後の目標やビジョンは?(フューチャーペーシングを魅せる意識でターゲットを引き寄せ信望させる)

BGM:壮大な曲・力強い・希望

演出:スパーク系・ゴールド・シャンパン・シルバーブラック

【5】権力のトリガー

定義:他者への命令

魅了する理由:支配力を得られるから

動画の提案:悩みや不安をもっている部分に対し強気な態度 / ネガティブなイメージを想像させる映像を積極的に差し込む / 場を支配する / アメとムチを与える

鉄板の質問:どんな人におすすめしませんか?どんな人におすすめしますか?(やるべきでない人を先に聞く=セグメント→ターゲット)

BGM:重厚感のある曲・情熱

演出:ローキー・シック・ボスのスタンス

【6】悪徳のトリガー

定義:規範への反抗

魅了する理由:禁断の果実に誘われるから

動画の提案:全てのトリガーと組み合わせ可能 / 信頼のトリガーを高め行動に促す / 成果重視 / タブーを仕掛ける / 惑わせて誘い込む

鉄板の質問:ブレッドやフック、ビックプロミスで注意を引き、目に留まる工夫や期待値、ベネフィットを別途質問の間や冒頭にテロップで演出する

BGM:フラット・シリアス・淡白

演出:簡単・訴求感・楽

【7】信頼のトリガー

定義:確実性と信頼性

魅了する理由:安心感を得られるから

動画の提案コンテンツの数で勝負する / Q & A動画の作成/ プロミスを小さく/ お客様の声(テスティモニアル)を量産 / 繰り返し伝える / 矛盾する情報を排除する

鉄板の質問:具体的にどんな結果・変化・成果がありましたか?(生活面や感情面の変化を引き出す、約束したことの証拠に繋げる=主張→根拠)

BGM:ゆっくりとしたテンポの曲・明るい曲・穏やかな雰囲気の曲

演出:カラー&光線エフェクト・ディゾルブ

以上、視聴者の行動心理を理解し「衝動」と相性の良い「心理トリガー」を組み合わせて動画の構成・演出をすることで、圧倒的に成果の出る動画につながります。

私は、2020年にこの行動心理学に触れて以降、顧客戦略を策定する際にはどの欲求をもつ人をターゲットに訴求するかを使い分けながら、企業様の売上や集客UPに貢献してきました。

その他、動画で成果を上げるために効果的な心理学6選

ここからは、動画を使って視聴者へ効果的に働きかける心理学を6つお伝えしたいと思います。

①色彩心理効果

色彩心理効果とは、色が人の感情や行動に与える影響のことです。

色の心理的効果として、明るい色は軽く暗い色は重く感じる傾向にあります

1つの具体例として、自動車への商品の積込時に、黒い箱を使用したところ、

作業者の疲労感が増し、気分が優れなくなるケースが多かったとのことで、箱を薄い緑色に変えたところ、疲労感が減じて欠勤者もなくなったという実験があります。

また、暖色系で彩度の高い色は興奮させる効果があり、寒色系で彩度の低い色には鎮静効果があるとされています

他にも、暖色系の色は対象物までの距離感が近く感じ、寒色系の色は対象物が遠くに感じられる傾向にあります。

特に、赤から黄にかけて暖かみを感じる暖色系の色は進出色、青緑から青にかけて冷たさを感じる寒色系の色は後退色と分類されていて、

同じ色相でも、明度・彩度が高い方が手前に飛び出して見えるため、動画で注意喚起や行動喚起を促す場合には、同じ赤でも明度や再度が高い色が効果的と言えます。

着痩せの効果としても知られる黒=収縮色、白=膨張色のイメージのように、明るい色は大きく暗い色は小さく感じる傾向にあるので、

太く大きく見せたいのか引き締まった印象に見せたいかで、視聴者に与える印象や視線誘導時の選択する配色など、色と感情の結びつきは非常に重要な要素となります。

②初頭効果と終末効果

初頭効果とは、最初に提示された情報のほうが後の情報よりも記憶に残りやすいという心理効果のことであり、終末効果とは最後に提示された情報のほうが前の情報よりも記憶に残りやすいという心理効果のことを言います。

この効果は、映像をつくる際に、冒頭はターゲットコールを意識して注意を引かせたり、キラーワードでインパクトを与えたりしながら、

最後は視聴者に行動喚起を促すCTAを設置し、目的を果たす役目が重要になってくることを意味します。

第一印象でイメージがつくられ、最後に起こったことが強く印象に残るので、構成を考える際にはぜひ理解しておきたい効果です。

③カリギュラ効果

カリギュラ効果とは、人は何かを禁止されたり制限されたりしたときに、逆に気になってしまう心理状態です。

例えば、YouTubeサムネイルや動画タイトルに「閲覧注意」や「警告」などと表記されている場合、その文言のインパクトと警告意図への好奇心により、人は続きを見ようとします。

動画冒頭で、アテンションを引く際にも効果的なように、ターゲットの心理を利用して閲覧を煽ることがカリギュラ効果になります。

④ウィンザー効果

ウィンザー効果とは、当事者から発信する情報よりも、第三者から間接的に伝わる情報の方が、信憑性や信頼性が高くなる心理現象のことです。

例えば、「自社の商品は機能性に優れています」と社員自ら宣伝するよりも、第三者による口コミやレビューで自社商品の機能性を評価してもらったほうが信頼感を得やすいということです。(レビュー効果)

弊社では、お客様の声(テスティモニアル)をインタビュー動画としてご提案させていただく機会を設けていますが、

これはウィンザー効果を利用した説得力やブランド価値の向上、顧客関係の強化につなげるためでもあります。

⑤バーナム効果

バーナム効果とは、誰にでも当てはまるような曖昧で一般的な記述を、自分にだけ当てはまると思い込んでしまう心理的現象のことです。

例えば、「〇〇さんは」「あなたは」と相手を特定する言い方をすることで、私のことを理解してくれていると思わせることができます。

映像制作に置き換えると、キャッチコピーを決める時やターゲットコールの呼びかけ時に、A:「痩せられない方に」とB:「何をやっても痩せられないあなたに」では、

ターゲットが抱く印象が異なるということです。

さらに「何をやっても」という一言で「私も同じだ!」と自分事に感じ、共感が高まるようなキャッチコピーにもなります。

ちなみに似た意味に「ネームコーリング効果」と呼ばれる、自分の名前を呼ばれると無意識に相手に対し好感をもつという心理現象があります。

マーケティング活動においては、営業などで顧客と対面する際に「◯◯さん」と積極的に呼ぶことで、自分に対する顧客の関心と愛着を促進することができるので積極的に活用したい効果と言えます。

⑥スティンザー効果

椅子に座る位置が人の心理に影響を及ぼすスティンザー効果について、最後ご紹介します。

この効果を利用することで、動画の中でも演者の立ち位置で視聴者との関係性をコントロールすることができます。

ここでは、大きく3つに分けてお伝えします。

1つ目が、正面に座る対面法と呼ばれる位置関係です。

与える心理効果としては、対立や緊張、圧迫感や真剣さがあり、なにか大事な話や真剣に大切なことを伝えるときを除いてはネガティブな心理効果を与えやすいと言われています。

これは動画撮影のカメラアングルに置き換えると以下の心理的効果が期待できます。

締めや冒頭など短い撮影時に、推薦者の声や権威性をアピールしたい場面(社長メッセージ)で真正面カメラ目線で話すことで、力強さや誠実さが伝わりやすくなります。

さらに、カメラ位置を視線より少し下にして撮影することで、インタビューをもらう人の威厳性を高めることができます。

同時に演者の視線を撮影者(手持ち撮影の方がより雰囲気が出せる )に向けることで、街頭インタビューでもよく見かけるような、

インタビューに答えてくれる人の素人感や素直さが伝わる信頼性のある声を撮影できるといった効果が期待できます。

そして2つ目が、横に座る平行法と呼ばれる位置関係で、これは親密な関係を構築しやすいと言われています。

与える心理効果としては、同調、想像力、親密感、愛情といった心理効果を与えることができます。

同じ方向を見る、そして体の距離が近くなりやすいため、心の距離も近くなり親しくなりやすい距離と言われています。

これを動画撮影のカメラアングルに置き換えると以下の心理的効果が期待できます。

客観的(正直さ)な映像になり説得感の出ない怪しくならない画角になるので、特にセールスが絡む撮影時には売り込まれていない印象をアピールすることが可能です。

最後3つ目が、斜めに座るL字法もしくはカウセリングポジションと呼ばれる位置関係です。

リラックスしやすく、親しい関係を期待できる効果があります。

ビジネスの面会や商談時などでよく使われ、各国の首脳会談でも緊張や対立を避けるためにこの位置関係を利用していたり、徹子の部屋の番組もこの心理法を採用していたりします。

これを動画撮影のカメラアングルに置き換えると以下の心理的効果が期待できます。

斜め(約45度角が理想)からの撮影は、しっかり内容を見せたい時や長時間撮影に適しており、目線の先をイメージさせることで前向きな印象を与えることができます。

またテロップや写真も挿入しやすいので、インタビュー撮影の万能構図としても重宝されます。

ちなみに演者の空間を後ろにとることで、名言だったり、回想シーンに使える構図として機能させることが可能です。

少し話しが脱線しますが、初めて会う人の場合には、基本的には相手の左側から声をかけないように心掛ける必要があると言われています。→相手が初対面だった場合には相手の右側にポジションをとる。

理由は、人には防衛本能があり、自分の知らない人が心臓側から声をかけられると警戒してしまうためです。

初対面での印象は半年続く(初頭効果)と言われているので、その場合には右側から話しかけて警戒心を和らげていくことをおすすめします。

逆に面識があり、横に並んで歩くときや座るときには相手の左側にいることを意識するようにしてください。→並ぶときは基本的に相手の左側を意識する。

人の行動はすべて感情で決まるので、相手の左側から声をかけることで右脳にアプローチすることが可能です。

(右脳=感情を司っておりイメージしたり感じたりするときに使い、左脳は論理や計算・分析時に使われます)

脳の神経は交差しているので、左側から話して右脳に語りかけるということです。

この心理的効果は、撮影時に演者を配置する場面でも活用でき、インタビュアーとの関係性で左右どちらからコミュニケーションを図るかの判断基準として活用できます。

最後に

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