購買意欲を高めるためのカラーマーケティング戦略

こんにちは、eMseedの浅田です。

本日は、色彩が持つ力についてお話しします。

商品やサービスを販売する際、色が顧客の購買意欲や心理にどのような影響を与えるかをご存じですか?

実は、私たちが無意識に目にしている“色”には、人の感情を動かし、行動を促す力があります。

今回は、『購買意欲を高めるためのカラーマーケティング戦略』について、実践的な視点からお伝えします。

目次

カラーマーケティングとは

カラーマーケティングとは、色彩心理学を応用したマーケティング手法です。

Webマーケティングにおいて、色は戦略的に利用することでユーザーの注意を引き、WebサイトやWeb広告で顧客の購買意欲や満足度を高める狙いで用いられます。

色をWebサイトやチラシ、動画のCTAなどにうまく取り入れることで、以下のような効果が期待できます。

集客力UP
購買意欲の向上
クリック率の向上
企業価値の向上

実際に、コンバージョン(成果)につなげるボタンの色を変えただけで、売上が20%も向上したという事例もあるほど、色は人々に大きな影響を与えています。

色がもたらす感情

色が持つ心理的効果を理解・活用することで、人に与える印象をコントロールすることができ、人の感情までも動かすことが可能になります。

ここでは、色がもたらす効果として代表的な2種類をご紹介します。

表現感情
色の受け取り方が人によって違うことをいいます。
 たとえば、「好き」と「嫌い」、「似合っている」と「似合っていない」といった受け手によって異なる感情を表現感情と言います。

固有感情
多くの人が共通して感じる感情効果のことをいいます。
 暖色系の色味に対して温かいイメージを抱いたり、寒色系の色味に冷たさを抱く感情のことを固有感情といいます。

生理的・心理的影響

ここでは、色が人々にどのような生理的・心理的影響を及ぼすのか見ていきます。

生理的影響
色は神経系に影響を与えることが研究によりわかっています。

例えば赤には時間経過を早く感じさせる効果があり、その効果は1.5倍といわれています。つまり20分しか経っていなくても30分経過したように感じてしまうということです。
そのためファストフード店などは回転率を上げるために赤色を配置している店が多いのです。
また赤は、色の中でも一番注意を引く色ともいわれています。信号機の「止まれ」が赤なのもそのためです。
注意を引く=目立つということから、カラーマーケティング的に赤は「購買色」と言われています。
セールのポスターやPOPの多くに赤が使われているのを目にしますが、実際パッケージや広告に赤を使うと20%も売上が上がったというデータもあります。
そんな赤とは逆に、青は興奮を沈める作用があると言われています。その効果を利用し、治安が悪い地域では、街灯の色を青みのある色にすることで犯罪件数が減少したという事例もあります。

心理的影響
色は人の心理に影響を与えることが研究によりわかっています。

黄色を見た時に明るい気分になったり、植物を連想させる「緑」を見ると人は安心し、リラックスしたりと色によって感情に影響がおきます。
この効果を利用し、緑はマッサージ店やリラクゼーション系の業界に多く使われたり、安心感や親しみやすさを感じることから、建設会社のコーポレートカラーに使われていることが多いと言われています。
またこのような心理的影響は、世界共通のものもあれば文化によって異なることもあります。
たとえば黒は西洋文化では“死”を象徴している色ですが、東洋文化だと「白」が死を象徴する色とされています。
色による心理的作用も文化や時代によって異なる場合があります。

Webマーケティングにおいて効果の高い色とは

カラーマーケティングの効果を最大限に引き出す色としてよく挙げられるのが「」です。

赤は購買意欲を高め、「今買わないと!」という気持ちを駆り立てる力があります。

飲食店では、暖色系の赤を内装やテーブルクロスに使用することで、以下のような効果を得ています。

食欲の増進
顧客の回転率向上

これらの効果により、赤は「決断色」や「購買色」とも呼ばれています。

また、食べ物を視覚的に魅力的に見せる際にも赤やオレンジの暖色が効果的です。

ただ、赤をWebサイトで使用する場合には、目に刺激を強く感じることもあるのでその場合は、「黄」や「オレンジ」を使うこともよくあります。

世界で最もよく利用されている通販サイト、Amazonのボタンを想像していただければその理由がわかります。

多くのユーザーが信頼し、慣れ親しんでいるサイトのボタンの色が黄やオレンジであることから、抵抗感も低く、同じ色の四角いものを目にするとついついボタンに見えてしまう効果があります。

Amazonの場合は、ボタンの色に加えて形状タイプが丸角になっていますが、これも親しみやすさを与えて日常的にもよく触れている形を連想させる効果を与えています。

ただ、サイト全体で同系統の色が乱用されている場合には、商品の値段や申し込みボタンが認識しづらくなることもあるので、

見込み客がどんなサイトを信頼し、どんなサービスに慣れ親しんでいるのかをリサーチしたうえで、真似ることから始める必要もあります。

カラーマーケティングの事例紹介

実際に色を効果的に活用した成功事例を2つご紹介します。

・マクドナルドの例

赤:購買意欲、空腹感、時間感覚
黄:幸福感、親愛感

赤は購買意欲を高め、空腹感を引き起こします。

また、時間を早く感じさせる効果があり、顧客の回転率を向上させます。

加えて黄色は幸福感や親しみやすさを与え、短い滞在時間でも満足感を感じさせます。

これらの色を組み合わせることで、マクドナルドは「短時間で幸せを提供する」ブランドイメージを確立しています。

・スタバの例

スターバックスは「自宅でも職場でもない第三の場所」を目指し、以下の色を採用しています。

緑:安らぎ、癒し
茶:穏やか、安定

この2色を使うことで、最大限リラックスできる空間を演出しており、「休憩といえばスターバックスコーヒー」というブランドを確立することに成功しています。

まとめ

いかがでしたか?

カラーマーケティングは、消費者心理に深く働きかける強力な手法です。

以下のポイントを参考に、ぜひ実践に役立ててみてください。

色の心理的効果を理解するターゲット層に合った色を選定
他社事例を研究する成功事例から学び、応用する
効果を測定・改善する色の変更によるコンバージョン率の変化をチェック

色の力を最大限に活用することで、ターゲットの心に響くブランド体験をつくり出せます。

ぜひ、実践してみてください!

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

目次