無印良品が進める、「共創」をキーワードにしたマーケティングの新しいカタチ

こんにちは、エミシードの浅田です。

先日、同郷の経営者からお誘いを受けてイーコマース事業協会の22周年記念イベントに出席した際、

特別講演「無印良品が進める、共創をキーワードにしたマーケティングの新しいカタチ」と題した

株式会社良品計画 篠原佳名子氏が展開するトークが面白かったので、皆さんにもシェアできたらと思います。

ちなみに私が普段無印良品でリピートしている商品と言えば、「マイルド 保湿洗顔フォーム」です^^

キメ細かく弾力のある泡が最高です。

その他、トラベル用品は無印良品のもので揃えている私ですが、あのシンプルかつ機能的なアイテムは本当最高です。

そんな、普段から消費者として利用機会もある無印良品ですが、講演は「共創」をテーマにファンといっしょに商品開発を行う無印良品のファンマーケティングが中心でした。

目次

ファンマーケティング2.0

この「ファンマーケティング2.0」は、「顧客」「スタッフ」「ステイクホルダー」を広い意味でのファンと捉え、それぞれの領域でつながりを深め、

新たな共創に取り組んでいくために立ち上げたものでした。

今まではオフライン上のつながりが強かった良品計画が、オンラインを通じて顧客とのつながりを深めていくと共に、

100年後のより良い未来の実現に向けて企業理念を再定義し、2024年までの中期経営計画で「第二創業」を掲げて、その一環には「共創」をテーマとしたファンマーケティング2.0があるのだとか。

オープンなイノベーションが起きる顧客・スタッフ・ステイクホルダーの共創コミュニティーをつくることを最終目標にしているとのことでした。

無印良品と言えば、多くの企業が非公開にしている情報も、インタビュー時の記事内容や書籍、経営計画資料等、情報をオープンにしていることから、

ブランドの裏側を色んな角度で学ぶことができるのが面白いと感じました。

アンバサダーとの共創

無印良品には、ブランドに愛着を持ちSNSに投稿するファン層が多いのだとか。

確かに私も一度調べ物でタグ検索したり、おすすめに流れてきた熱狂的なファンに遭遇したことが過去ありました。

SNSに投稿するファンとのつながりを強化して、さらに充実した発信を目指すことを目的に打ち出したのが「アンバサダープロジェクト」でした。

SNSで無印良品の発信を続ける約200名のアンバサダーとタッグを組み、商品の展示会に招待して直接触れて感想を発信してもらったり、

時には未発表の商品開発の工場訪問に招待し、開発の工程を見学・発信してもらう施策を行っているとのことでした。

これは、過去に動画で成果を上げるために効果的な心理学として挙げた、ウィンザー効果を狙ったものでもあります。

また、驚いたことの1つに、無印良品側から発信についての条件提示は特に何もなく、アンバサダーの裁量に合わせて、感じたままに発信をしてもらっているとのことです。

決まった宣伝文句をお願いすることもなく、商品がダメだと思ったときには、正直に言ってもらってよいというスタンスだそうです。

もちろん、アンバサダーに認定されるための条件は細かくあるみたいですが、SNSでの発信をアンバサダーに任せることで何か炎上になったり、

商品クレームが入るなどといったことは今までないのだとか。

発信の中身やテイストもご自身のカラーに合わせて自由なタイミングで発信可能で、商品への評価もアンバサダーに委ねているとのことで、

ユーザーからの信用度も上がり、同じ消費者目線で価値を感じてもらいやすい関係性が構築できているんだと思いました。

他にも、アンバサダーのYouTubeチャンネルに商品企画担当者が登場したり、視聴者を交えたライブ配信なども行われているのだとか。

アンバサダープロジェクトの特徴として、案件では対価をお支払いしない代わりに、上記のように招待やコラボ企画の実施を通じて持続可能なつながりを持ち続けているとのことでした。

そのためにも、発信を行うアンバサダーをクリエイター=『人』として捉え、

アンバサダーが「クリエイターとして実現したいこと」と「無印良品のありたい姿」2つが重なるポイントを見つけ、win-winな関係性を目指している姿はすごいと感じました。

特に、商品開発への参加については、アンバサダーの中でもインスタグラマーやYouTuberなど各プラットフォームの特徴の違いから、関わり方も異なるのだとか。

例えば、インスタグラマーは発信者同士のつながりが多いのでグループにして、メンバー同士がInstagram上で意見交換をしながら開発を楽しんでいただけるようにしているそうです。

消費者とのつながりが強いYouTuberについては、1人でチームを担うこともあり、フォロワーがチームメンバーになるケースもあるのだとか。

Instagramであれば、無印良品との共同投稿としてタグをつけて投稿、YouTubeであればアンバサダーさんのチャンネルに投稿してファン獲得に努めているとのことでした。

ここまで仕組み化されている無印良品のファンマーケティングはやっぱりすごい…

企業はプラットフォーマであり、ブランドはお客様のもの

アンバサダーたちには、動いて発信してもらいながらも金銭のやり取りは発生しないとのことで、なぜこれが成立しているのかと言うと生活を良くするために、

そしてそれを世の中に伝えていくために、両者納得のうえ思いに理解して受け入れているためだという。

なので、そこで金銭が絡むと宣伝しないといけないと言う風潮にもなるため、アンバサダーには、場を提供し商品を試す・試さないや、発信する・しないも全てアンバサダー主体で任せているとのことでした。

無印良品は、プラットフォーマーとしてお客さま自身とお客さまの生活を商品やサービスで媒介しているだけなんだと語っていたのが印象的でした。

これぞターゲットと商品を絞らない戦略をとっている無印良品だからできる、マーケティング戦略なのかなと感じました。

特定の誰かではなく、誰にとっても必要だったり、皆が手に取りやすくなるための展開を、実にシンプルなパッケージであるがゆえに、

老若男女問わず使える便利さみたいなところに高い支持を得続けているんだと学びになる時間でした。

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