視聴者の感情を動かす構成設計とは

こんにちは、エミシードの浅田です。

本日は、視聴者の感情を動かす構成設計の基本である起承転結についてお話ししたいと思います。

起承転結ときくと、小説や映画、ドラマなどの物語構成を思い浮かべる方も多いかもしれません。

しかし、この考え方はPR動画や採用動画、施設紹介、Web CMなど、あらゆる映像制作に応用できます。

むしろ、映像を通して自社PRをしたい企業さまこそ、理解しておきたい考え方だと思っています。

当社でご相談をいただく中でも、

“自社の魅力をできるだけ多く伝えたい”
“設備もサービスも実績も紹介したい”

というご要望をいただくことがあります。

そのお気持ち、よく分かります。

しかし実際は、情報量が増えるほど視聴者の記憶には残りにくくなります。

なぜなら、人は情報そのものではなく、その情報を受け取ったときに生まれた感情を記憶するからです。

例えば、

「どんな設備があったか」
「どんなサービスがあったか」

よりも、

「楽しそうだった」
「心地よさそうだった」
「行ってみたいと思った」

という感情の方が強く記憶に残ります。

だからこそ映像制作では、何を伝えるかだけでなく、どのような感情を生み出すかを設計することが重要になります。

起承転結とは、情報を整理するための手法ではありません。視聴者の感情を自然に導くための設計図なのです。

目次

起承転結はストーリーではなく感情曲線で考える

起承転結という言葉を聞くと、物語を作らなければならないと考える方もいると思います。

しかし、必ずしもドラマのようなストーリーは必要ありません。

大切なのは感情の流れです。

例えば、

起(導入)興味を持つ

承(過程)理解が深まる

転(見どころ)感情が動く

結(結末)価値が定着する

という感情曲線を設計することです。

映像のジャンルが変わっても、この流れは共通しています。

当社でも企画を考える際は、まず映像の流れではなく、視聴者の感情の流れを設計することから始めています。


起|世界観と前提条件の共有

映像の冒頭で行うべきことは、視聴者に「ここはどんな場所なのか」を理解してもらうことです。

これは物語づくりでいう「天地人」の考え方に近いものがあります。

どのような時代・環境・空気感なのか
どのような場所や舞台なのか
誰が登場し、何が存在するのか

視聴者はこれらを理解することで、初めて映像の世界に入り込むことができます。

起は派手な演出をする場面ではありません。

これから始まる体験を受け入れるための土台づくりです。

承|価値や関係性の積み上げ

承は、映像の中で最も長い時間を占めることが多いパートです。

ここでは出来事そのものを見せるのではなく、価値の積み上げを行います。

登場人物や対象との関係性。背景にある想い。変化の過程。期待感。

こうした要素を丁寧に積み重ねることで、視聴者は対象への理解を深めていきます。

承の役割は説明ではなく、後に訪れる感情のピークを成立させるための準備になります。

転|感情が動く瞬間を生み出す

映像制作において最も重要なのが「転」です。

転とは単なる場面転換ではなく、視聴者の認識や感情が動く瞬間になります。

映像の価値は、この感情の変化によって生まれます。

美しい映像や心地よい音楽だけでは、人の心は大きく動きません。

人が記憶するのは変化です。

だからこそ、

意外性

発見

共感

感動

驚き

といった感情の変化が必要になります。

これは必ずしも大きな演出である必要はありません。

小さな気づきや価値観の変化でも十分です。

重要なのは、映像を観る前と観た後で、視聴者の中に何らかの変化が生まれていることです。

それこそが転の役割です。

だからこそ当社でも企画段階で、「この映像の転はどこにあるのか」を最初に考えます。

何を見せれば感情が動くのか。どの瞬間をクライマックスとするのか。

それを明確にすることが、映像全体の方向性を決定します。

結|価値を言語化し、記憶に残す

結は単なる終わりではありません。映像を通じて伝えた価値を定着させる工程です。

視聴者の中に生まれた感情や理解を整理し、「つまり何だったのか」を伝えます。

企業映像であれば理念やブランド。

施設紹介であれば体験価値。

採用映像であれば働く意味。

最後にCTAやロゴが配置されることが多いのも、そのためです。

結は情報を足す場面ではありません。

意味を確定させる場面になります。

序破急という考え方

起承転結と似た構成論として、「序破急」があります。

序:導入
破:変化や展開
急:収束

特に短尺映像やWeb CMでは、この考え方が有効です。

重要なのは「破」です。

起承転結における転と同様に、視聴者の認識や感情が変化する瞬間が映像の核になります。

そのため、

転(破)を決める

そこへ向かう導線を設計する

最後は印象的なヒーローショットで締める

という順序で企画を考えることが多くなります。

映像は「感情の設計図」である

映像制作において大切なのは、映像をどう撮るかではありません。

視聴者にどのような感情の変化を体験してもらうかです。

その設計を行うための基本となる考え方が、起承転結であり、序破急です。

視聴者の感情をデザインし、記憶に残る体験をつくるためのコミュニケーションなのです。

当社では、撮影技術や編集技術だけでなく、「誰に、何を、どのような感情で届けるのか」という企画設計の部分を大切にしています。

企業PR、採用動画、広告動画、Web CMなど、目的やターゲットによって最適な構成は異なります。

しかし共通しているのは、伝えたい情報ではなく、伝えたい価値や感情から逆算して設計することです。

当社では、映像制作を単なる制作業務ではなく、お客様の想いや価値を届けるためのコミュニケーション設計と捉えています。

「自社の魅力をもっと伝えたい」

「映像を活用して集客や採用につなげたい」

「何を伝えるべきか整理できていない」

そのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。

お客様の想いに寄り添いながら、視聴者の心に届く映像づくりを、ともに伴走させていただきます。

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