「5W1H」を意識した映像づくり

こんにちは、エミシードの浅田です。

今回は、成果につながる質の高い動画を生み出すための、撮影テクニックの考え方のひとつ「5W1H」についてお話ししたいと思います。

撮影技術や機材の話しも大切ですが、その前に知っておいていただきたいのが、写真と動画では考え方そのものが少し異なるということです。

写真が「点(1枚の芸術)」だとすれば、動画は「線(積み重ねの芸術)」。

映像は、常に前後の「つながり」を意識しながら撮影を行います。

これは撮影後の編集においても同様で、1つひとつのカットの良し悪しだけでなく、それらが組み合わさったときにどのような流れになるかを意識し、「線」として構成を組み立てていきます。

そこで役立つのが、映像制作の現場でも基本として活用されている「5W1H」という考え方です。

皆さんも文章を書く際に耳にしたことがあるかもしれませんが、実はこのフレームワーク、映像制作においても非常に効果的です。

私自身も撮影現場で常に意識しており、映像の分かりやすさや説得力を高めるために欠かせない要素となっています。

When(いつ): 撮影日時や時間帯、季節、順序など。
Where(どこで): 撮影場所や位置、背景となるロケーションなど。
Who(誰が・誰を): 撮影者や被写体となる人物、ターゲット層など。
What(何を): メインとなる被写体や伝えたい商品、イベント内容など。
Why(なぜ): 撮影する目的やコンセプト、残すべき理由など。
How(どのように): 撮影方法やカメラアングル、機材、演出手法など。

目次

映像制作と俳句の意外な共通点

ところで映像制作と文学というのは、一見異なるように思えますが、実は意外な共通項が多くあります。

どちらも限られた情報のなかで、相手に情景や感情を伝える表現技術という点では非常によく似ているのです。

なかでも「俳句」は、映像的な要素が多く含まれていることに気づかされます。

「五七五」という、たった17文字のなかで、情景や感情、季節感を端的に、そしてリズミカルに表現します。

限られた文字数の中で、どの言葉を選び、どのように配置するかによって、読み手の頭の中に鮮明なイメージを描き出します。

これは映像制作にもよく似ています。限られた時間の中で、

どの画を選ぶのか

どの順番で見せるのか

何を映し、何を映さないのか

を考えながら、1つの世界観を表現していくからです。

また、俳句を読んだときに情景が思い浮かぶのは、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」といった情報が自然と含まれているからでもあります。

つまり、優れた俳句には映像制作でも重要な「5W1H」の要素が凝縮されているのです。

さらに、俳句のリズムは日本語との相性が良く、心地よく耳に残ります。

映像においても、このリズム感(テンポ)は重要です。

テンポの悪い映像は、視聴者の集中力を奪ってしまいます。

では、映像におけるテンポ感とはいったい何でしょうか。

それは、「観ている人の理解を促すように工夫をすること」だと個人的に考えています。

視聴者の理解をスムーズに促し、確かな成果につなげるための工夫。

そのベースであり、現場の決まりごとでもあるのが「5W1H」です。

シチュエーションが変わるたびに、この5W1Hがしっかりと伝わるよう構成するのが動画撮影の基本となります。

ここからは、それぞれの要素が映像づくりにおいてどのような役割を果たすのか、ひとつずつ解説していきます。

ぜひ参考にしてみてください。

When(いつ):時間軸と変化を捉える

撮影日時や時間帯、季節、そして映像内の「順序(時系列)」を示します。

映像を観る人は、無意識のうちに「これはいつの出来事なんだろう?」と情報を探しています。

例えば、

朝なのか夜なのか

春なのか冬なのか

イベント開始前なのか終了後なのか

これらによって、受け取る印象は大きく変わります。

映像は時間経過を表現できるメディアです。

イベント撮影であれば、会場外観や受付風景を入れることで「これから始まる」という状況を伝えられます。

また、季節感のある風景や時計などを映すことで、視聴者は自然と時間軸を理解できます。

動画では時間の流れも重要な情報です。

だからこそ、「いつ」を伝えるカットを意識的に撮影しておくことが大切です。

Where(どこで):空間と背景で状況を説明する

撮影場所や位置、背景となるロケーションです。

「ここはどこなのか?」が視聴者に伝わらないと、映像への没入感が削がれてしまいます。

状況が変わる場面(シーンの頭)では、まず全体を広く映して場所を説明するカットを入れるなど、観ている人が迷子にならないよう配慮することが大切です。

どんなに魅力的な人物や商品が映っていても、場所が分からなければ状況は伝わりにくくなります。

例えば「店舗紹介動画」「企業PR動画」「観光動画」などでは、まずロケーションを見せるカットが重要です。

建物の外観や周辺環境、会場全体が分かる引きの画などを撮影することで、視聴者は空間を把握できます。

映像制作では「まず場所を説明する」という考え方が基本です。

Who(誰が・誰を):主役とターゲットを明確にする

映像は人に感情移入してもらうことで、より強く伝わります。

被写体となる人物はもちろん、カメラを回す「撮影者の視点」、そしてこの映像を観る「ターゲット層」も含みます。

誰の魅力を引き出したいのか、そして誰の悩みに応えたいのか。

発信する相手(ターゲット)が明確になることで、被写体の切り取り方や表情の引き出し方も変わり、結果的により深く刺さる映像になります。

映像に登場する人物を通して、視聴者自身がその世界を想像できるようにしましょう。

What(何を):伝えるべきメインテーマを絞る

メインとなる被写体、アピールしたい商品、あるいはイベントの核となる出来事など、「何を伝えたいか」という軸です。

これは映像制作の中心となる要素です。

あれもこれもと情報を詰め込みすぎると、一番の魅力がぼやけてしまいます。

フレームの中に不要なものを入れず、「今見せたいものはこれだ」という主役をはっきりと際立たせることが重要です。

何を見せたい映像なのかを常に意識しながら撮影しましょう。

Why(なぜ):「共感」を生む背景やストーリーを伝える

意外と見落とされがちなのが、この「なぜ」です。

しかし、この要素があるかどうかで、映像の説得力は大きく変わります。

なぜその商品が生まれたのか。

なぜそのサービスを提供しているのか。

なぜそのイベントを開催するのか。

表面的な情報だけでなく、その奥にある「背景」や「想い」が伝わることで、視聴者はそれを単なる情報としてではなく「共感」として受け取ってくれます。

企業紹介動画や採用動画、ブランディング動画においては特に重要な要素です。

ただ目に見えるものを撮るだけでなく、映像の奥にあるストーリーまで意識して撮影することで、より深みのある作品になります。

How(どのように):感性と技術を掛け合わせた表現

撮影方法やカメラアングル、機材の選択、演出手法など、具体的な「見せ方」のアプローチです。

これまでの「When〜Why」の要素を踏まえた上で、それをどう表現するかを決定します。

被写体に寄り添うように手持ちカメラで撮影するのか、三脚で固定して客観的に見せるのか。

最適な「How」を選択することで、視聴者の理解を促し、感情を揺さぶる映像が完成します。

例えば、

  • ローアングルで力強く見せる
  • 寄りの画で感情を伝える
  • スローモーションで印象的に見せる
  • ドローンでスケール感を表現する

など、表現方法はさまざまです。

カメラアングルやレンズ選び、照明、音、編集テンポまで含めて「How」に該当します。

つまり「How」は、被写体の魅力を最大限に引き出すためのアプローチであり、映像制作者の個性や技術が最も表れる部分とも言えます。


まとめ

映像制作では、シーンが変わるたびに

  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(誰が)
  • What(何を)
  • Why(なぜ)
  • How(どのように)

が自然に伝わるよう構成していくことが基本となります。

もちろん、すべてを毎回説明する必要はありません。

しかし、視聴者が状況を理解できるだけの情報を映像の中に散りばめることで、より伝わりやすく、説得力のある映像になります。

皆さんが撮影する際は、ぜひ「今のカットで5W1Hのどの情報を伝えているだろう?」と考えてみてください。

きっと映像の見え方も、撮り方も大きく変わるはずです。

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